この度、第17回日本外来精神医療学会・総会を2017年(平成29年)6月10日、11日の両日にわたり京都にて開催することとなりました。初めての京都開催ということで、京都大学・京都府立医科大学のサポートのもと京都精神科医会、京都精神科病院協会、京都精神神経科診療所協会という京都の外来精神医療を支える各団体の協力を頂いて、オール京都体制で大会に臨むことになりました。
前回の第16回横浜大会では北里大学の宮岡等会長が本学会や外来精神医療のあり方について正面から取り上げられ「外来精神医療の透明化と標準化」のテーマでたいへん実りのある学会を開催されました。今回の第17回京都大会では「外来精神医療の歴史と今」をメインテーマとして、外来精神医療の歴史を今一度振り返り現状をしっかり検証することにしました。その上で、これからの外来精神医療についてはこれに携わる多職種間のはんなりした連携を抜きにしては語れない、ということでサブテーマを「しっかり検証、はんなり連携」としました。京言葉の「はんなり」とは「つつましい中にも華やかさがあり、温かく人を包み込むような」といった内容を表していると解釈して頂ければと思います。「自在な連携」と置き換えても良いかもしれません。
「入院から外来へ」そして外来の多様化と質が問われています。企業や家庭、学校をはじめ現代社会の変化がもたらすメンタルヘルス不調と外来精神医療は強く結びついています。今や外来精神医療は社会の変化を無視しては成り立ちません。視界の悪い夜道を運転しているような感覚ですが、孤立せず同乗者に助けられながら方向を誤らないように明るく進みたいものです。プログラムの内容ですが、「オープニング講演」を日本精神分析協会長の北山修先生の言葉で始めたいと思います。また、「外来精神医学」の大先輩でおられる笠原嘉先生をご招待してお話をお伺いできればと思います。その他、多くの講演、シンポジウム、分科会、ワークショップ、公開講座、等々を企画しています。
梅雨時ですが、外国人観光客の比較的少ない紫陽花の時期に京都にてお待ちしています。
第17回日本外来精神医療学会 大会長 杉本二郎
(杉本医院からすまメンタルクリニック 院長)